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(最終期)


(あらすじ)
ハヤオの告白
最近小生と…言わなくなっているハヤオ





大きな花風船が割れる
おき子、うっすら目を開ける
淡々と起きる
5時半である



<シーン>朝/リビング

朝の光の中、おき子、大好きなコーヒーを楽しんでいる
すべてがキラキラしている

カーテンが膨らみ
朝の光がおき子の瞳の中に届く

(おき子ナレーション)
「もう、いくら寝坊しようと思っても
起きてしまう
ようこそ朝日!
私は朝に祝福されてるかのようだった」


ハヤオの寝室の扉がガタガタ音を立てながら開く


ハヤオ「昨日、起こしてって言うたよね」

おき子「あ!忘れてた!ごめーん!」

おき子、エヘヘ…




(おき子心の声)
「朝のルーティン、何も考えずいつもの行動することの慣れてしまって、うっかりしていた…」

おき子「大丈夫、まだ6時」

ハヤオ、寝ぼけ眼

おき子「忘れんうちに書いとかな」
ハヤオを起こすという新しいタスクをノートに書き入れる





タイトル「朝☀おき子さん」
step37「ハヤオさん、言葉の忘れ物」




<シーン>朝/玄関先/キッチン



ハヤオ「行ってきます」

おき子、ハヤオにお弁当をわたす


(おき子心の声)
「昨日と同様に
同じ時刻に
ハヤオさんを送り出し
私はいつもどおりのタスクをこなす
毎日がいつもどおり
繰り返しの毎日っちゅーのは
静止してる死んでるんと同じやと思ってた
変化こそ、生きてる証だと思っいた
毎日、違うイベントを体験したいって
そんなふうに思ってた
それで、あっちにうろうろ
こっちにうろうろ…
変化を感じるためには
毎日を固定すること
固定すれば、まわりは凄まじい変化の連続だ
そのことがよくわかる
日の出の時間、気温や湿度、季節の変化、香り
鳥や虫の声
同じ毎日はない」



OKITEの回想
「変化は
自分をブラさないこと
固定すると、周りの変化がよくわかるんです
(「朝☀おき子さん」session21「OKITEとデイト」の頃の回想)


キッチンで料理しながら
OKITEのことを思い出している


(おき子ナレーション)
「次の日は、ハヤオさんを起こすのを忘れなかった」


<シーン>朝/部屋


おき子「ハヤオさん、起きて」

ハヤオ「何時?」

おき子「5時半」

ハヤオ「まだ暗いやん」

おき子「じゃあ、まだ寝る?」

ハヤオ「いや、起きる」


朝のルーティン
リビングのテーブルでノートパソコンを広げハヤオは何やら仕事をしている

ハヤオ「さあ、そろそろ会社いく時間かな」

おき子洗い物をしながら

ハヤオ「午前中にメール返信おわってもうたな
会社でやること
もう、できてしまいました」

おき子微笑み

キラキラした朝


おき子「朝は、生き物が目覚める時間
空気が澄んで、五感で朝を満喫する
心はおだやかで、感情の振幅は少く、リラックスしてる
頭はクリアで気持ちは前向で明確
朝は物事を客観的に見れる、全体を把握
朝は体力も気力もある時間効率も良い」

おき子「早朝はゴールデンタイムなんよ
作業はかどるでしょ」

ハヤオ「うん、気力も体力もある
嫌なことも、寝て忘れてるし」

おき子「光を浴びると
否応なくエネルギーに満ちてくる」

窓の向こうを見ながら
風に吹かれる
ハヤオ「爽快やな
この時間を通勤に当ててたなんて
もったいなかったですね」

おき子「ハヤオさん、クイズです!
全人類に無料で配布されていて
かつ、健康を害することなく
しかも、効き目が最高にいいとされるドラッグは何やと思う?」

ハヤオ「ドラッグ!」

おき子「正解は、朝!」

ハヤオ「なんでドラッグ?」

おき子「その良さを知ればやめられない」

ハヤオ「なるほどな〜」

おき子「なるほどな〜って言うてくれる
人でよかった!w」

(おき子心の声)

ハヤオ「行ってきます」

おき子「行ってらっしゃい〜」



(おき子心の声)
「私はこれをやりたかったんだ
この何気ない穏やかな生活」


ゴミ出しをしようとしたとき
玄関先にまだハヤオがいる
ハヤオは背を向け佇んでいる


おき子「ん?」

おき子「忘れ物?」

ハヤオ「…」(言葉の忘れもん)

おき子「ん?」

ハヤオ「ぼくは、真摯に
おき子さんと向き合ってなかったなって思う
おき子さんが朝起き始めたとき、しばいてでも起こしてってあれだけ言ってたのに
面倒なことにはあまり関わり合いたくないなって
思ってた
もっと向き合って、とっくみあったら良かったと思う。二人で一緒にやればよかったんだ、ぼくも本当はそんなふうにしたかったんだと思う
自分の心にしたがえばよかった
だから…君に伝わってないんじゃないかなって思う
ぼくは言いたいことをすぐに飲んでしまうし
伝えるのがヘタで、臆病やから
おき子さんに伝わってない
ぼくが、君を大好きなこと
伝わってないんやないかなって思って
まだ、ほんとに、君は知らないんやないかなあって思って
僕が君を好きなこと、愛してる事
知らんのやないかなあって
伝わってないんやないかなあ思って」

おき子「もういい、うん、十分
伝わってるよ」

ハヤオ、両手にゴミを持ったおき子を抱きしめる

ゴミ収集車は行ってしまう
おき子はゴミをもったまま




(おき子心の声)
「温かい
それはまぎれもない命の暖かさだった
愛着のある人間の暖かさだった」


おき子「ハヤオさん
遅刻やね」

ハヤオ「うん、はやめに連絡いれんと」

おき子「ハヤオさん入社以来
遅刻なんてしたことないんやから
みんなびっくりするで」



〈シーン〉

おき子、遊歩道でハヤオのことを回想する



ハヤオ「ぼくが、君を大好きなこと
伝わってないんやないかなって思って
まだ、ほんとに、君は知らないんやないかなあって思って
僕が君を好きなこと、愛してる事
知らんのやないかなあって」


(おき子心の声)
「そーいえば、ハヤオさん
小生って、言わんなってるな」


ハヤオの変化(せいちょうのようなもの)を感じる





次回、最終回


毎回、最後にミニコーナー
おき子さんの朝起きへの道、ステップその37


光を浴びると
否応なくエネルギーに満ちてくる





「朝☀おき子さん」また来週!いよいよ最終回

 

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