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(暗雲立ち込める時期)

(あらすじ)
ハヤオとの不和が深刻化、その矢先に懐妊疑惑



<シーン>寝室/朝


おき子夢を見ている
OKITEに抱かれている夢
暖炉の手前には
OKITEくらいに小さくなったハヤオさん


おき子のでっかい鼻風船が割れる

夢か…
という表情

寝汗ぐっしょりのおき子

OKITE「心拍数が異常です」




タイトル「朝☀おき子さん」
step30「時間が必要」




<シーン>寝室/朝





(ナレ)
「その日、私の起床時間は7時10分
これまで、連日6時起床
朝起きは順調だったが
ここんとこ崩れだし
そして、なにか最近
身体もだるかった」


OKITE「落ち込まないでタスク開始
今ならまだ巻き返せます」


(おき子、ナレ)
「起床時間を
なかなか元にもどせずにいた
それでも気づけんば
昔のように昼まで寝てたり
二度寝したりすることはなくなくなったのは
少し成長したのだろうか
食事準備をし、ゴミ出し、お弁当を用意する
ハヤオさんを起こすが
今朝に限ってハヤオさんは起きなかった」

「遅刻しまっせー」

「あ」

「ハヤオさんめずらしい」

ハヤオさんは
何か言いたいことがありそう
きっと
テーブルにずっと置きっぱなしにしてる
招待状のことだ

テーブルには
招待状の束と
花器(花は活けらることはあるのだろうか)



(おき子、ナレーション)
「私から話さねばいけない
この結婚を、考え直したいことを
せめて、式を先延ばしにしてほしいことを」



おき子「ハヤオさん弁当」(弁当を手に持っている)

ハヤオ「式のことなんだけど…」

おき子「あの、ハヤオさん
あの、この結婚式
のことやけど
私も話したいことある」

ハヤオ「え?」

おき子「この結婚式
あの…
ごめん」

ハヤオ「え?」

おき子「急いで!」

おき子「あ、遅刻するから」

ハヤオ「あ、遅刻」

おき子「また、あとで」

おき子、弁当、手に持ったまま
おき子「あー!ハヤオさん、弁当」



<シーン>風見鶏がアホほど見えるケ丘公園/昼下がり


おき子、OKITE、いつものベンチ


OKITE「ハヤオさんと別れる
心の整理はつきましたか」

おき子「なんでやのん!別れません!
式はもうちょい先延ばしにしてもいいかなと思ったの」

OKITE「私が指導します
お互い傷つく修羅場をむかえるかもしれません
しかし、修羅場を通らねば、明るい未来もない
きびしい現実ですが
乗り越えれば気持ちも晴れ晴れもするでしょう
おき子さんの言うことなら
あの人は静かに受け入れます
あっさりと
なにせ気の小さい男ですからね」

おき子「…」(揺れる晩秋のコスモスを見ながら)

間があって

おき子「OKITE、私と心中する?」

OKITE「…それはいけません」

おき子「それはいけません…か、ははは…
冗談やんか」

OKITE「…そろそろ戻ってタスクのつづきをしましょう」

おき子「ねえ、OKITE、今日はタスクさぼっていい?なんかちょっとカラダもだるいんよね」

うーんと伸びをして立ち上がる

おき子「美味しいコーヒー飲みに行こう」




<シーン>ハヤオ会社




ハヤオ作業中、回想してる

おき子がAIコンセルジュを使ってることを
自分に隠していること
同僚Aに、利用されていること
言いたいことを言い出せない自分のこと


いきなり同僚Bの怒鳴り声
同僚B「お前、なにやっとんのや!」

職場でミスをするハヤオ

同僚A「ライン止めろー!」


上司にコテンパン


上司「何のための管理部や
今日はもおええわ
帰れ!」

すごすごと帰り支度

同僚B「あとは、任せときな」

ハヤオ「すみません」

同僚B「疲れてんだ、ゆっくり休めや」
タバコを吸うB

上司「お前もいつまで休んでんだ!」

同僚B「ヘーイ」




<シーン>会社からの帰路/夕方



落ち込んで帰宅のハヤオ
ドボドボ、遊歩道
喫茶店AURORAの前を通る
窓際の席でOKITEと楽しくイチャイチャ話しているおき子
ハヤオ、ついに見てしまう!

サスペンス調の演出


そうとは知らずのおき子

おき子「んもう〜何ゆうてんのOKITEちゃん」

OKITE「いやいや
冗談はさておきです
朝は一日で一番心は穏やかで静まってる状態です
感情の振幅は少く、リラックスしてる
脳はクリアで気持ちは前向で明確です
朝は体力も気力もある
早朝はゴールデンタイムなんです」

おき子「それはもうきいたって
それを満喫しないのは勿体無い
っちゅーのね
わかってるっちゅーの
でも、なかなかでけへんっちゅーの」
(OKITEをデコピン)

OKITE「いやいや、もうちょっと本気でやりません?
せっかく、習慣化の手前まできてんのに」

おき子「うふふふ、そうね
わかっちゃいるのよね〜」


外でじーーーっと見ているハヤオ

スマホで写真を撮る
(浮気の証拠写真を撮るかのように)



<シーン>おき子、家に帰ってくる

おき子「わかっちゃいるのよ〜♫
わかっちゃいるのよ〜♫」自作の歌

玄関、中へ


おき子「あれ?」
(玄関にハヤオの靴を発見する)
おき子「早かったんやねえ」

ハヤオ「うん」

おき子「今日、遅刻大丈夫やった?」

ハヤオ「うん、ちょっと遅れただけ」

おき子「珍しがられたんちゃう?
まじめなハヤオさんが遅刻やなんて」

ハヤオ「あかんか?」

おき子「え?」(ハヤオ、機嫌悪い様子)

おき子「夕飯、今から支度やの
先、お風呂はいっといて」


おき子寝室へ


おき子「なあ、OKITE、ハヤオさんから
連絡なかった?早めに帰宅するって?」

OKITE「連絡はなかったです」

おき子「そう」

おき子「えっと、何作ろっかな」


キッチン、無言の食事



(おき子、ナレ)
「ふたりとも、なぜかご飯を残した
なんか食欲がない」


食器を洗いながら後ろ姿で


ハヤオ「え?ずらしたい?
結婚式の日程を?」

おき子「うん」

ハヤオ「そっか、今からずらすとなると」

おき子「式場の担当者にも、私から連絡しとくし
両親にも、お友達にも私から連絡しとく」

ハヤオ「そっか…」

おき子「なんでかとか、訊かへんの?」

ハヤオ「え?」

おき子「式ずらしたいって、なんでとか」

ハヤオ「いや、おき子さんが、そう決めたんなら
ぼくは反対しないし、うん」(ほほえんで)


(おき子、心の声)
「この人とは
うまくやっていける気がしない」






<シーン>寝室



おき子「はあ〜」

OKITEを手に持つ

OKITE「体温が高いです」


おき子、おでこに手を当てる
熱がある


(おき子、ナレーション)
「そして次の日もあらだのたるさ、微熱は下がらず
起床も失敗、体調がよくない」

OKITE「排卵日が遅れています」

おき子「まさか…」
妊娠疑惑





つづく



毎回、最後にミニコーナー
おき子さんの朝起きへの道、ステップその30

朝は体力も気力もある
早朝はゴールデンタイムなんです

「朝☀おき子さん」また来週!

 

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