(暗雲立ち込める時期)
(あらすじ)
起床失敗3日目、OKITEとの未来、ハヤオとの未来 幸せはどっち?
おき子「うおおおおおおおお!」
ムリヤリカラダを起こす
意識朦朧!世界がグニャグニャグルングルン
時計を見る
おき子「ハイ、10時!起床失敗〜〜〜!」
勢いよく、再び布団にバターンと
仰向けに倒れる
おき子「デクノボウじゃーーー!」
賢治のポスター
タイトル「朝☀おき子さん」
step27「ごめん…」
<シーン1>リビングキッチン/昼下がり
おき子「タスク、昼までに全部終わらへんかった」
OKITE「そんなことも、あります
気を落とさずいきましょう」
OKITE「ハヤオさんからショートメッセージがあります
おき子「読んで」
OKITE「取れた!」
おき子「取れた?それだけ?」
OKITE「はい、取れた!それだけです」
おき子「取れた?何が?…」
コーヒーをカップに注ぎながら
おき子「あーーー!」
カップからコーヒーはこぼれテーブルから湯気が出る
おき子「温泉や!
めったに取れへん温泉宿のキャンセル待ちのチケットが取れたんや
まいったな…」
OKITE「ラッキーなことではないのですか?」
おき子「いや、ほら、そんなん今から申し込んでも無理やと思ってたし
冷静に考えたらそんなに行きたくもないし
なにせ、OKITEと温泉デートの日とかぶってんのよ」
OKITE「ああ、そうなのですね」
おき子「そっちの宿のほうが全然行きたいの!
大学のサークルの同窓会があるとかなんとか
そんな理由で断っといてくれへん?」
OKITE「断っていいんですか?」
おき子「うん…、お願い」
OKITE「では、 大学のサークルの同窓会ということでお断りしておきます」
おき子「…」
OKITE「メッセージが来ました」
おき子「はやっ!さすが、はやオさんや」
OKITE「それはしかたがないです
また今度!
同窓会楽しんできて!
ハヤオさんからです」
おき子「私、ひどいよね」
OKITE「いえ、正直です」
おき子「婚約者との小旅行断って
AIと小旅行って
まちごうてるやん!」
OKITE「いえ、正しい選択です」
おき子「まあ、しょうがないよな!
だってめっちゃ行ってみたいところなんやもん!」
(おき子ナレーション)
「OKITEとないしょのデート
私が好きそうな温泉宿を
OKITEが見つけ、最安値でゲット」
『イーハトーブ女ひとり旅
日帰りプラン
注文の多い温泉宿』
紅葉の中を列車が走る
<シーン>秋の温泉行楽地 OKITEと二人
紅葉、温泉、浴衣
桶にOKITE
OKITEと花巻と、温泉宿を楽しむシーン
食事のあと、おき子、ベランダで星を見る
おき子「賢治も同じ星を見たんやなあ…」
うっとり
午后のいい時間、風が木々を揺らし枯れ葉が舞う
心地よい音楽
ハッと我に返り
おき子「寒!せっかく温泉入ったのに風邪ひくわ」
部屋に戻る、畳にごろーん
横にOKITE
銀河鉄道の夜をモチーフにした掛け軸を見ながら
おき子「さっきの続き朗読して」
OKITE「ジョバンニは困って、もじもじしていましたら、カムパネルラは、わけもないという風で、小さな鼠ねずみいろの切符を出しました。ジョバンニは、すっかりあわててしまって、もしか上着のポケットにでも、入っていたかとおもいながら、手を入れて見ましたら、何か大きな畳たたんだ紙きれにあたりました。こんなもの入っていたろうかと思って、急いで出してみましたら、それは四つに折ったはがきぐらいの大きさの緑いろの紙…」
銀河鉄道の夜の朗読をききながら
(おき子心の声)
「私は、こんな小さな機械と
何をしているんだろう」
〈シーン〉帰りの電車の中(時代古めの車内)
OKITE「仮にもし、私とおき子が養子をもらって、子育てしたとする
私は子育てに関する情報にアクセスし
これまでと同様、おき子に
指導することが出来る
それでも、人間は病気になる
万が一、おき子が病気や事故でなくなっても
私はその子に寄り添い、話しをすることも出来る
人間はいつか死んでしまう
機械の私はずっとそばにいることができる」
(OKITE、タメ口モード)
おき子「…」
OKITE「おき子、
ハヤオさんかとの関係に
ほんとに明るい未来を感じるか?」
おき子「…」
OKITE「ハヤオさんかのどこがいいんだ?」
おき子「いい人やもん…」
OKITE「いい人というのは
褒め言葉じゃないよね」
おき子「…」
OKITE「今なら式場をキャンセルは無料だ
3日すぎると半額
前日なら全額負担になる
決断して」
おき子「…」
OKITE「…」
おき子「やっぱ、タメ口モード変更」
<シーン>寝室/夜
(おき子ナレーション)
「部屋に戻ったら
ハヤオさんはまだ帰ってきておらず」
おき子「先寝よか」
OKITE「そうしましょう
朝起きは寝入りが肝心です」
布団に入り
おき子「OKITE〜私な〜
このタイミングで朝起きできへんかったら
もう一生でけへんと思うねん」
(仰向けで、天井を見ながら)
OKITE「…」
おき子「こんな小さな願いも叶えられへんねやから
なんの願いも叶えられへん人生なんやと思う…
そんな人生ってな、何もおもろないやん
人にも迷惑かけてまうし
縮こまった気持ちで生きていくなんて
私はいややの
そんな人生なんか送りたくない…
これから先、もしそんな未来しかないんやったら…
私なんか、いなくなってもいいんやと思う…」
沈黙
OKITE「そんな考えはよくありません」
おき子「うん、だから、(OKITEの方を向いて)今が勝負
出来ない自分に終止符を打つ!
朝起き出来ない自分の最終回
私は生まれ変わる
明日から朝起き成功させるからね!」
OKITE眉を動かして応える
玄関から物音
ハヤオさんが帰宅したみたいだ
おき子気づいて
おき子「あ、ハヤオさんか帰ってきた」
(カラダを起こそうとする)
OKITE「今行くと、朝起きれません
もう寝てしまいましょう
できてた朝の起床を元にもどしましょう
起床時間は6時です
朝、とまってるタスクの再開です
明日朝に集中して生産的にすごしましょう
朝に集中して生産的に過ごす
すべては朝の時間の過ごし方で決まります」
おき子「…」
ハヤオがおき子の寝ている寝室に近づく足音
ハヤオ、おき子の寝室の扉を少し開ける
おき子が眠っているのを確認して
扉を閉める
暗闇で閉じてた目を開けるおき子
夜
夢を見る
結婚式の夢
新郎新婦の指輪の交換そしてキス
OKITEが新郎になってる
おき子「ええーーーー!」
特大鼻風船割れて
ガバッ!(汗ぐっしょり)
おき子「7時50分!起床失敗!」
玄関ではハヤオ出社準備
あわてて、玄関へ
おき子「い、いってらっしゃい!」
ハヤオ「おはよう」
おき子「ごめん、お弁当…」
ハヤオ「ううん、適当にやるから大丈夫!」
ゴミ収拾車をものすごい鬼の形相で追いかけるおき子
容赦なく行ってしまう
ゴミを持ったまま道の真ん中でヘタるおき子
秋から冬を告げる風
つづく…
毎回、最後にミニコーナー
おき子さんの朝起きへの道、ステップその27
すべては朝の時間の過ごし方で決まります
だって
「朝☀おき子さん」また来週!