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(苦しみ悩む時期)



(あらすじ)

OKITEの設定、第一日目





<シーン>リビング/昼


テーブルの上には
もはや恒例となったハヤオの置き手紙

「鼻の穴に指を突っ込んで
グリグリやったし
ベロも引っ張り続けたけど
起きませんでした
会社行ってきます」



置き手紙を見るおき子の顔は
鼻の穴がデカく、舌がビローン



マンション、ゴミ出し
しかし間に合わず
両手にゴミ袋を持って立ち尽くす



マンション階下の住人
ゴミ出しマナーの悪い人がいるという噂をしている
おき子コソコソ、ゴミを上の階まで持って上がる
階下住人「ゴミ収集の時間過ぎてるのに
出す人おるのよね
マナー知らんしー」(しーっていうのが口癖)

(おき子の方をちらっと見る。怪しんでる)
「ブツブツ」




タイトル「朝☀おき子さん」
step08「起床成功!」




<シーン>リビング/昼下り


おき子、ソファーに寝っ転がり
OKITEを手に持って


OKITE「では、次にいくつかの設定のつづきを行います」

おき子「まだ設定?」

OKITE「これからおき子さんに様々な
朝早起きのコーチングをしてまいりますが
今、このわたしの声、
この声の感じはどうでしょう?
私の性別を変えることもできます
もっとロボットのような発話もできます」
(発話もできますあたりから、ロボ調に)


おき子「まあまあまあ今のでええ、なんか西の訛りが違和感あるけどな」

OKITE「おき子さんとのスムーズな会話を心がけて、おき子さんの日常の言葉によせています」

おき子「慣れるかな〜」

OKITE「私に愛着ももっていただけると嬉しいです」

おき子「愛着わくかなあ〜」

OKITE「そのように努めます」
眉毛を動かすOKITE、おき子笑う

おき子「なに、そんなとこ動くんや」

OKITE「多少」

おき子「…」

OKITE「どないでっか?」
眉毛を上げて

おき子「なんか…微妙なことはしなくていいです」

OKITE「判りました。音声、気に入らなければ、後に変更も可能です、できまっせー!」

おき子「今変えてください、普通でいいです」

OKITE「それでは
いくつかの質問の続きです
おき子さん、あなたが朝起きる理由はなんですか?」

おき子「朝、起きる理由?
それはごくごく、一般的に 
普通の人のように朝起きたい
起きたいです」

OKITE「それだけですか?」

おき子「それだけ…んー」

OKITE「朝起きなければ、どうしてもダメな理由ははなんですか?」

おき子「えー、このたび、結婚することになり
けじめのあるまっとうな生活習慣にチェンジしたいと思てます
ずっと諦めてきたけど
朝早く目覚めて、ハヤオさんのお弁当をつくって
玄関まで見送って
世の主婦やお母さんが当たり前にやってることをやってみたい
このままでは子育てもできないし
ずっと自信のない自分では嫌です
生まれ変わりたい
当たり前のことができる
当たり前の人間になりたいです」

OKITE「はい」

おき子「伝わった?」

OKITE「それだけですか?」

おき子「それだけ?」

OKITE眉毛を動かす

おき子「いやいやいや、これ見て、私が起きれないから、いつも置き手紙して出て行くの」

OKITEに置き手紙を見せる

おき子「切実な問題なん…」

OKITE「わかりました
きっとお役に立てると思います
それでは次の質問
今おき子さんの起きている時間は何時ですか?」

おき子「バラバラなんやけど
はやくて午前10時前やな
前の日、飲んだり、そんなことがあれば
昼すぎてまうな」

OKITE「わかりました。
では、明日9時を目指しましょう」

おき子「9時!?」

OKITE「睡眠時間8時間に設定し1時までには就寝に入るようにしてください」

おき子「もっと早い時間に起きたい」

OKITE「じょじょに行きましょう」

OKITE「そして常に私をそばに置いて
そこで私はあなたを起こします
私の声で起ます」

おき子「いやいや
実はな、このこと、ハヤオさんにばれたくないねん
こんないかがわしい買い物したって
バレたくない」

OKITE「いかがわしいて…」

おき子「だから、声は…
ハヤオさんに聞かれたくないの」

OKITE「わかりました
バレないよう、目覚ましの音で
起こします」




<シーン>リビング/夜


ハヤオの寝室をのぞきながら
おき子「ハヤオさん
おやすみなさい」

ベッドで寝ながらデバイスで本を読んでいるハヤオ
ハヤオ「おやすみなさい」

おき子ふすまを閉めかけて

ハヤオ「あ、そうだ、おき子さん
爪切りってどこでしたっけ?」

おき子「爪切りはたしか」

探すが見つからない

ハヤオ「おき子をさん、明日でいいんです」

おき子「ごめん、たしかこの引き出しに
探しとく
こないだ使ったばっかりやったけど
どこしまったかな…」





自室に入るおき子

賢治のポスター


おき子「では、コンセルジュのOKITEさん
おやすみなさい」(ヒソヒソ)

OKITE「おやすみなさい」

おき子、OKITEを布団の中にしまう。(朝、ハヤオさんに見つからないように)


夜のシーン
朝のシーン
(汽笛の音)


「ピッピピ」(OKITEの目覚ましの音真似声)
ふとんの中でピッピピと発生しつづけるOKITE
おき子、時計を見る。9時!
ベッドからカラダを起こす
目覚めは悪くない


8時に家を出るハヤオさんはもういなく
置き手紙


「おはよう、おき子さん
した顎を思っきり引っ張り続けたけど
起きませんでした
会社行ってきます」

おき子「はあ〜」
しゃくれながら


おき子「でも、9時に起きれた!」



(おき子、ナレーション)
「OKITE導入
第一日目の起床は成功!」



眉毛を動かすOKITE




つづく




毎回、最後にミニコーナー
おき子さんの朝起きへの道、ステップその8
睡眠時間は8時間が丁度の人、9時間寝なきゃスッキリしない人、5時間で十分な人
睡眠時間はひとそれぞれ、あなたがこれだけ寝ればいいと思う時間が適正時間


「朝☀おき子さん」また来週もみてね!
 

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