(事の起こり)

(あらすじ)
婚約者ハヤオに「起きれない弱み」を告白
朝起きがんばることを決意。
でも寝坊のクセは強い



<シーン>
出会った頃のハヤオさん/カフェAURORA/午後



お店の前には
モーニングセットなどの大きな看板
(モーニングセットの時間はとっくに過ぎている)


ハヤオ「え?悩みってそんなことなんですか?」

おき子「…」

ハヤオ「朝が苦手?
そんなことを気にしてたの?
悩みっていうから
もっと深刻なことかと
寝坊しちゃうかもって… ハハハ
いい目覚まし買ってあげますから、ハハハ…」

おき子「いや、そんなレベルじゃなくて
もっと…筋金入りの…
なめてたらあかんというか…」

ハヤオ「大丈夫です!
おき子さん、朝は気の済むまで寝ててもらっていいです
小生は自分で起きられますし、朝は強いです
朝食も自分ですましますし
小生は一人暮らしも長かったから
たいてい自分のことは自分でできます
あ、こんなふうに言うと
パートナーは必要ない
みたいな言い方になるけど
ちがうんです」

おき子「ハヤオさんがいい人でよかった」

ハヤオ「いや、いや
ふたりの生活の中でこれから
いろいろ見えてくると思います
でも、そうやって、あらかじめ自分の短所を
言いにくいことを
話してくれるというのは
おき子さんが誠実で正直な人の証です
かえってホッとしました」

おき子、申し訳なさそう

ハジメ「それにしても
朝起きができないなんてw」

(おき子はメニューをみながら)
おき子「ここでモーニングセットを
食べるのが夢やの
情けないことに…」

ハヤオ「おき子さんにとっては
深刻な問題なんですよね」

おき子「考えすぎなんかな…」

ハヤオ「なんにしても
お互い、支え合えたらなあって思います」

おき子「ハヤオさんやさしいなあ」

ハヤオ「パートナーとして
当たり前でしょ?」

おき子「んん…」(涙ぐむ、おき子)

ハヤオ「泣くことないと思うんですけど」

おき子「明日はちゃんと
早起きします
宣言します!」

ハヤオ「だから、いいって
言うてるんですけどね」




<シーン>暖炉のあるリビング/夕飯後


(おき子ナレーション)
「婚約を交わした私たちは
一緒に住むようになって」


ハヤオ「結婚式の日取り
あと、式場
身内だけですますとしても
これくらいの金額は…」

おき子「ハヤオさん、今日も朝起きれなくて
ごめんなさい」

ハヤオ「え?
いやいやいや、まだ言ってるんですか?」

おき子「…」

ハヤオ「だから、宣言とかしなくていいんです
いいんですよ、朝はゆっくり起床してもらったら
そうやって暗雲立ち込めた顔になるくらいなら
昼まで就寝してもらって良いですし」
(ハヤオはよく話し言葉が文章っぽくなる)

おき子「ちゃうの、もし将来
子供授かるとするでしょ?
毎朝寝坊してるお母さんてイヤやなあって
基本的なことができへんお母さんて
説得力も頼り甲斐も何もないよね」

ハヤオ、それもそーだという表情

おき子「ハヤオさんもそのほうが
ホントは良いでしょ? 」

ハヤオ「…」

おき子「正直はどう?
ほんまにほんまの正直は」

ハヤオ「え?」(詰寄られて困惑)

おき子「朝起きしてお弁当つくって
一緒に朝食、食べて
いってらっしゃいって見送る女房と
寝坊する女房と」

おき子「どっちがいいですか?」

ハヤオ「どっちでもいいです」

おき子「ねえ、ほんまのホンマは?
一緒に美味しいコーヒーと香ばしいトースト
さり気なくも心がホッとするよーな朝食、食べて
いってらっしゃ〜いって見送る若妻と、
いつまでも寝室でグースカ寝腐ってる女房と」

ハヤオ「え〜」

おき子「前者と後者!」

ハヤオ「どっちでも…」

おき子「いや、どっちかハッキリ!」

ハヤオ「いやほんまに…」

おき子「どっちか選ぶ言うたら?
心がホッとするよーな朝食、食べて
いってらっしゃ〜いって見送る若妻と、
いつまでも寝室でグースカ寝腐ってる女房と!」

ハヤオ「じゃあ…、前者…」

おき子「やっぱな!
やっぱりそうやん!」

ハヤオ「わかりました
本当に朝起きがしたいんですね?」

目と目がバシッと合う
おき子真剣な面持ち

ハヤオ「では、小生が起こします!
どれだけ寝ていても
執拗に起こします!」

おき子「ホンマ?
しばいて起こして!」

ハヤオ「しばいて?」

おき子「顔面蹴ってもいいから!」

ハヤオ「ちょっと…そこまでは」

おき子「勇気を出して!」

ハヤオ「起きるまで起こしますから
じゃあ、早めに寝ましょう」




〈シーン〉寝室/夜

夜の交わり
ハヤオ「今夜は早めに終わらすでー!
別に早いんちゃうでー!」
(交わりの時だけ関西弁)


夜のシーン(銀河鉄道の列車が)
朝のシーン(画面いっぱい通り過ぎたら朝)
銀河鉄道の汽笛の音


<シーン>おき子寝室/昼前

賢治のポスター
賢治の田園での立ち姿と同じように
布団の上でうなだれているおき子

おき子「やってもた…

〈シーン〉リビング/昼前

テーブルの上にハヤオの置き手紙


『やっぱ、しばけませんでした
ごめんなさい
無理に朝起きしなくていいからね
会社行ってきます』

おき子、うなだれ
テーブルにうっぷす


<おき子心の声>
「そう、男ははじめはやさしい
ハジメさんだって
最後は呆れる…
最終的にほんまに顔面に蹴り
入れられるかも」

おき子、顔を上げる

おき子「うん?なにこれ?
ハヤオさん…忘れもの…?」

リビングのテーブルの上に
箱がある
箱を開ける

おき子「なにこれ!
ゴツ!
昭和の目覚まし時計
マンガにでてくるやつやん!
よお見つけたなあ
どこ売ってんのw」

ハヤオさんのメッセージ
『応援します!一緒に
がんばりましょう!』
へたくそな鶏の絵

おき子、微笑ましく笑う
目覚まし時計を抱きしめる

おき子「明日は必ず起きよう
私の未来がかかってる!」

デカイ目覚まし、小脇に抱えて仁王立ち
逆光のおき子

勇ましいオーケストラサウンド



つづく



毎回、最後にミニコーナー

おき子さんの朝起きへの道、ステップその4

目覚ましの音は耳に刺激が大きすぎず、小さすぎず
少し複雑なメロディーのほうがいいみたいです


「朝☀おき子さん」また来週!